贈与税で得をするには
最も有利な頭金の贈与方法
あなたは、いつごろ、最初の自宅を買いましたか?
子供が生まれた30年ぐらい前の話ではないでしょうか。
あなたの息子さんも結婚して、子供が生まれると、マンションや一戸建てを買おうかなと思い始めるはずです。
特に、その子供が小学校に入学する前には買っておかないと、転校することになります。家族の皆が、安心して、長く住める場所を探したいと思い始めます。
だんだん、毎週末、息子と嫁の会話は、家のことばかりになっていきます。
新聞に新築マンションのチラシが入っていると、じっと読んでしまったり、近くにモデルルームが作られると、気になって、間取りや販売金額を確認したりします。
それが、何ヶ月間か続くと、会社からの通勤圏内、実家からの距離、教育熱心な学校の近くなどの条件が固められて、不動産を買う気持ちが固まります。
嫁も、「あなたが病気になったら困る」と、家を買うことをあと押しします。
確かに、住宅ローンには、団体信用生命保険が付いているので、息子が病気になって働けなくなれば、借金を免除してくれます。
それで、真剣にマンションや一戸建ての情報をかき集めて、いくつかのモデルハウスの見学会に、嫁と子供と一緒に参加するようになります。
すると、2人がいいなぁと思うマンションは駅から近くて、広さも十分あり、内装も見栄えがよく、共用施設も充実していて・・・・・・でも、販売価格は5,000万円もします。
自分たちが欲しいマンションは、他の人にも人気があり、値引きは難しいでしょう。
さらに、営業マンと話をすると、5,000万円だけではなく、最初の修繕積立金、銀行のローン手数料、登記費用、火災保険料、税金、カーテンや家具などで、合計500万円は追加で用意した方がよいと教えられます。
ほとんどの人が一生に1回、または2回ぐらいしかマンションを買いません。
そのため、追加の費用がかかることを知らなくても、当たり前です。
マンションのチラシやインターネットの広告に書かれていても、読めないぐらいの小さな字です。
結局、頭金として20%程度の1,000万円と諸費用の500万円を合計した1,500万円の貯金が必要であることは、事実です。
1,500万円の貯金って、子供が小学生ぐらいの世代にとっては、高いハードルです。
だって、今の日本では、働いている二人以上の世帯の平均の貯蓄額が1,200万円、40歳未満の世帯では、平均の貯蓄額は500万円しかありません。
1,500万円という貯金は、なくて当たり前なのです。
子供の入学時期も迫り、やっぱり、親である、あなたに相談することになるでしょう。
でも、家族でお金の話をすることは、悪いことどころか、良いことだと思います。
息子が大学を出て、社会人になって、家を出て行くと、めっきり話をしなくなります。
あなたは、息子が、いくらの給料をもらっているのかも知らないはずです。
物価は上がらず、給料も増えない時代に、親のあなたの助けがなくては、やっていけません。
今回の話も、無駄遣いをするわけではないですし、これをきっかけにして、あなたの老後や相続についても話し合いをすべきです。
最初は、息子さんは、「お金を貸して欲しい」と頼んでくるかもしれません。
ただ、政府は、住宅を買うためのお金の贈与ならば、一定額まで税金を支払わなくてもよいという特例を作っています。
だから、マンションを買う頭金は、贈与してしまいましょう。
世間的には、住宅を買うときの親からの平均の贈与額は1,058万円です。
あなたが息子に1,000万円を、嫁のお父さんが、嫁に500万円を贈与すれば、2人で1,500万円になります。
不動産を買うと、登記された情報が税務署に回って、「お尋ね」のハガキが来ます。
これに、マンションを買ったお金はどうやって貯めたのか、ということを記入して返送しなければいけません。
もちろん、息子がいくらの給料をもらっているのか、買ったマンションの価格がどのくらいなのか、税務署は知っています。
つまり、あなたが息子に、お金を貸すのか、あげるのか、ハッキリさせておかなければいけません。
今回は、息子に1,000万円、嫁に500万円贈与するということでしたが、いくらまで贈与しても、税金がゼロになるのでしょうか。
実際、あなたが贈与したお金で、子供がマンションを買うことは、日本の経済にとって、よいことです。
公共工事を減らされた建設会社も、人口が減って困っている住宅メーカーも、貸倒れのリスクが小さい住宅ローンを貸したい銀行も、みんな、賛成です。
それに、マンションの価格は高いので、特例の金額を小さくしたら、効果がありません。
それで、現在は、
(1)平成22年は、特別に自宅を買うお金の贈与として1,500万円が非課税
(2)相続時精算課税制度の2,500万円が非課税
という、大盤振る舞いになっています。
ただ、この(1)の非課税は、平成23年以降は1,000万円に減らされてしまいます。
そして、(1)は、110万円までは贈与税がかからないという制度と一緒に使うこともできますし、(2)の制度と一緒に使うこともできます。


1,500万円以内の贈与であれば、(1)の特例を使い、相続時精算課税制度は選択しない方がよいでしょう。
そうすれば、今後も110万円までは贈与税がかからない制度を使い続けることができます。
もし、あなたが、1,500万円以上の頭金をあげるならば、相続時精算課税制度でなければ、贈与税がゼロになりません。
一度でも、息子が相続時精算課税制度を選択すると、それ以降は、110万円までの贈与であれば税金がゼロという制度は使えません。
しかも、相続が発生したときには、この頭金の贈与がなかったものとして相続税を計算されてしまいます。
ただ、そもそも相続税が発生しなければ、贈与税も相続税もゼロにはなります。
なお、相続が起こる3年以内に、(1)の住宅の特例を使った場合でも、相続税の対象にはなりません。
そして、相続時精算課税制度とは違い、両親だけではなく、祖父母や曾祖父母からの贈与でも非課税になります。
最後に、あなたが頭金をあげるのは自由ですが、息子さんの贈与税がゼロであっても、特例についての書類を税務署に提出することを、教えてあげてください。 書類を出さないと、突然、税務署から息子さんに電話がかかってきて、贈与税を支払って欲しいと言われてしまいます。

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