贈与税で得をするには
妻が相続税で困らないように
あなたは、妻よりも先に亡くなることを想定していると思います。
女性の方が7歳も平均寿命が長いですし、だいたい、あなたの方が、妻よりも年齢が高い場合が多いからです。
そのため、あなたの財産を妻がもらい、相続税を支払うことになります。
このとき、相続税を支払うために、あなたと住んでいた自宅を、妻が売却しなければいけない場合もあります。
「うちの家は、それほど多くの相続税を支払うほど、お金持ちではないよ」
と、安易に考えないでください。
例えば、東京の都心から少し離れた住宅街に50坪ぐらいの2階建ての自宅があるだけで、土地7,000万円、建物2,000万円で、合計9,000万円の相続財産になってしまうのです。
もちろん、自宅だけではなく、預金や株もあるはずなので、合計で1億円は超えるでしょう。
これが、もっと都心になれば、土地の価値は何倍にもなります。
50坪の土地に家が建っているならば、土地の切り売りは難しいはずです。
それならば、老後の生活費として貯めたお金で、相続税を支払うのでしょうか?
でも、あなたの財産って、本当に、あなただけのものだったのでしょうか。
やっぱり、働くあなたを、妻が助けてきたからこそ、財産は貯まったはずです。
あなたは給料を稼ぎましたが、それを家でやりくりして、銀行のローンを返して、貯金まで作れたのは、妻のおかげです。
そこで、税法では、妻がそのまま自宅に住む場合には、土地の評価を20%にしてくれるという特例があります。
自宅ならば、240m2、つまり72坪までは、20%の評価にしてくれるのです。
そして、そもそも、民法の法定相続分である2分の1までは、相続税をかけないと決めています。
妻に、夫の財産の半分までは権利があると税法でも認めているのでしょう。
それだけではありません。
2分の1を超えて、すべての財産をもらったとしても、1億6,000万円までは税金がかかりません。
そのため、先ほどの例で言えば、土地が1,400万円の評価になり、建物2,000万円と合わせれば、3,400万円の評価にしかなりません。
それ以外に、1億2,600万円以上の財産を妻が相続しないかぎりは、相続税がかからないのです。
ということは、1億円ぐらいの財産であれば、相続税を支払うために、自宅を売却する必要はなさそうです。
ただし、もっと都心に自宅を持っていたり、土地が広いと20%の評価減を使えなくなるため、相続税がかかる可能性が高くなります。
また、日本は全国で、新しく道路を作ったり、駅を作ったりしています。
そのときに、国に土地の一部を売却していると、お金になっているため、20%の評価減が使えず、やはり税金がかかることになります。
もしかしたら、今後、インフレになり、土地の価格が上がる可能性もあります。
税収が足りない政府は、少しずつ相続税を改正して特例を縮小し、増税してきていることも、事実です。
やはり、妻が財産を相続したときに、多額の相続税がかかるリスクはあるのです。
でも、歳をとった妻が自宅を売却したり、お金に苦しむのは、あなたが望むことではないはずです。
自宅を売らなくてはいけないリスクは、できるだけ小さくしておくべきです。
そこで、相続税だけではなく、贈与税にも妻に対する特例があるので、それを使っておくことで、このリスクを小さくすることができます。
これは、すごく単純な特例で、
「結婚してから20年以上経った妻には、自宅を2,000万円まで贈与しても、一切の税金がかからない」
というものです。
この特例を使って自宅を贈与したあと、3年以内に、あなたが亡くなっても、相続財産に加算されて税金がかかることもありません。
つまり、贈与税はゼロ円で、相続税を絶対に節税できるので、やっておくべきです。
手続きは、土地の登記を行い、贈与税の申告書を提出するだけです。(このとき、登録免許税及び不動産取得税はかかります)
なお、自宅の土地は路線価で評価されるため、実際の時価としては2,500万円を贈与することができるでしょう。
(路線価は、時価の80%ぐらいなので、2,500万円×80%=2,000万)
これにより、夫の財産が減り、相続税は累進課税なので、妻だけではなく、子供も含めた相続人全員の税金が、結果的には少なくなります。
将来、相続税が改正されたときに、この妻に対する贈与の特例がなくなる可能性も、ゼロではありません。
できるだけ早く、贈与してしまいましょう。

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