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2011.02.25

贈与税として1330億円を追徴課税されましたが、最高裁の判決で、400億円の利子を付けて、返してもらうことになりました

 現在、会社更生手続き中の消費者金融の武富士の元会長夫妻が、2000年に相続税と贈与税の法律が改正される前に、1999年にオランダの会社の株を長男に贈与しました。このとき、長男は武富士と香港の子会社の役員となっていて、会議のために、日本と香港を往復していました。記録によれば、1997年から2000年で、おおよそ3分の2は香港で生活し、暮らしていたことは事実です。実際に、香港の子会社の実務も行っていました。

 そして、贈与されたオランダの会社は、武富士の株を所有し、それ以外にも日本の国内の財産を保有していました。このまま、相続が発生すれば、国内にある財産だけではなく、国外にある財産は、すべて相続税がかかりました。つまり、長男がこの株を相続すれば、多大な相続税がかかったのです。

 所得税でも、日本人の個人は、全世界所得基準となっています。つまり、日本人は、世界のどの国で収入があったとしても、現地で税金がかかっていたとしても、日本で確定申告により、税金を計算しなおさなければいけないのです。

 では、国外で支払った所得税はどうなるのか?

 租税条約がある国ならば、それを日本で支払う所得税から控除してくれますが、租税条約がない国ならば、所得税が二重課税になります。

 これと同じで、贈与税も日本人がもらうならば、国内の財産であろうが、国外の財産であろうが、税金がかかります。

 ただ、武富士の場合、長男は国外に居たのであり、日本に「居住」がありませんでした。さらに、贈与した財産も国外の財産であれば、長男には、贈与税がかからないという法律であったので、無税で、オランダの会社の株を贈与したのです。もちろん、日本で贈与の申告も行っていません。

 このあと、贈与した金額が大きいだけに、税務当局の調査が入り、2005年に、この贈与は租税回避行為として行われたものであり、税務上、認められないとして、約1330億円の追徴課税をしたのです。贈与税であったため、その当時の最高税率の70%に達しています。この贈与税は平成13年に改正されて、最高税率は、70%から50%に下げられています。(平成23年度の税制改正で、贈与税の税率がさらに変わる予定ですが、それは、他の記事を読んでください。)

 そのあと、長男は、これを不服として、追徴課税を取り消すための裁判を起こし、先日の最高裁の判決となったのです。

 結論として、最高裁では、この長男への贈与は租税回避行為とは認められず、贈与税はゼロで問題ないとしました。追徴課税を取り消したのです。そのため、1330億円を返還するとともに、今までの利子として400億円を、国から長男に支払うことを、税務当局に命じました。

 ただ、最高裁の判決がでる前、2008年に東京高等裁判所で出た判決では、武富士の元会長夫婦は、弁護士と何度も打ち合わせを行い、長い年月をかけて、今回の贈与スキームを作り、長男を香港に居住させてきた経緯を重視しました。しかも、長男は、日本にも自宅があり、そこには、家財道具もそのままで、香港には移さず、仕事も香港に居たが、インターネットや電話などを使って、武富士の仕事をしていたという状況から、「生活の本拠は日本にあった」と認定しました。そのため、この贈与は、あくまで、租税回避行為のために行ったものであり、香港の滞在日数は、無税になるように調整していたとして、税務当局の課税を適法としました。しかも、2000年に税制改正されると分かり、急いで行ったのではないかという疑惑もありました。

 ところが、今回の最高裁の判決では、租税回避行為の目的があったとしても、3分の2は香港に滞在しているため、その日数から、やはり、生活の本拠は香港だったと判断したのです。最高裁は、あくまで、税法で明確に要件を定めているのに、租税回避行為ではないかと疑いを向けて、一方的に課税するのではなく、法律に従って、租税法律主義を貫いたと言えます。

 私は、この判決を、良い、悪いと判断したり、意見を言える立場ではありません。最高裁が判決を下した以上、この贈与は適法であったということです。

 ただ、この判決により、税務当局としては、より厳密に、贈与の抜け穴をなくし、国民全体に不公平がない法改正を行うと予想されます。つまり、正攻法で、贈与を行い、ある程度、税金を支払い、相続税と贈与税を節税していくということです。

 武富士は、この裁判で勝ちましたが、ここまでスキームが有名になってしまい、しかも、2000年に実行したスキームが10年以上もかかって、完成したと言えます。しかも、この返還されたお金は、武富士の債権者が損害賠償を起こすことで、取り戻そうという動きもあります。これらを考えると、そもそも、税務当局に追徴課税されないような、節税方法で、贈与を行っておけば、こんなことにはなりませんでした。

 皆さんも、金額の大小はあっても、無理なスキーム、租税回避と疑われるようなスキームは止めましょう。正攻法のスキームであっても、十分、相続税も贈与税も、節税できるのです。

 なお、現在は、贈与する人、贈与される人が、5年を超えて海外に居住し、国外財産を贈与する場合には、税金がかかりません。

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