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2011.06.08
贈与税とは、相続税法の中で定められている法律です。
贈与税がなければ、相続する前に、全財産を妻と子供に贈与して、相続税をゼロ円にすることができます。
そのため、贈与税は、相続税よりも高い税率になっています。
そもそも、この相続税とは、個人にだけ、課税されます。
民法で、相続人が確定し、その人が財産を受け取ると、それに応じて、相続税が計算されます。民法では、個人が死亡したことを原因に、相続が発生すると定めています。
一方、会社は病気になったり、死亡することはありません。
あくまで、会社法によって作られた法律主体であり、株主が解散の意思決定をすれば、清算、または破産のどちらかを選択することになります。
もちろん、会社が清算、または破産したとしても、代表取締役や株主に相続税が課税されることはありません。
清算の過程で、会社に利益が出れば、法人税
清算の過程で、代表取締役に、退職金を支払えば、所得税
債権者に返済後、資本金を超えてお金が残れば、株主に所得税
このように、会社と個人の間では、相続税及び贈与税が課税されることはありません。
では、個人が会社に資産を贈与した場合、逆に、会社が個人に資産を贈与した場合には、どのような税金がかかるのでしょうか?
そして、それを回避することはできるのでしょうか?
① 個人が会社に資産を贈与する
個人が会社に資産を贈与する理由は、何でしょうか?
一番よくある理由が、会社が赤字だからということです。
上場会社でない同族会社では、社長の財布と会社の財布が同じということが、よくあります。
会社にお金がなくなると、社長が貸し付けるのです。
それだけではなく、会社の業務で出張したり、飲食店で接待しても、社長個人のカードで支払ってしまうのです。
会社で、法人カードを作っている場合は、あまり多くないようです。
このとき、社長がもらった領収証は、当たり前ですが、会社の業務で使ったお金なので、経費になります。
社長は、会社が支払うべき経費を、自分のお金で立て替えてあげたのです。カード会社は、社長個人の通帳から、引き落とします。
毎月、会社と社長の間でお金を精算すればよいのですが、社員の賞与を支払ったり、消費税や法人税を支払ったり、銀行への借金を返済すると、会社の通帳には、お金が残っていません。
この立替金が、雪ダルマ式に積もり、何千万円となっている会社をよく見ます。
別に社長が、借金を取り立てるわけでもなく、会社が利息を支払うこともなく、そのままにしておけば、という意見もあるでしょう。
ところが、社長が亡くなると、会社に対する債権として、相続税がかかってしまうのです。
もちろん、会社が儲かっていれば、すぐに精算してあげればよいのですが・・・会社が赤字になっていると、難しいでしょう。
そこで、社長が会社に対する債権を免除することで、債務免除益という利益を出し、赤字と通算するのです。
会社は、赤字と通算できれば、法人税を支払いません。借金が減り、赤字が解消されて、自己資本比率も改善するので、銀行に対する心証はよくなります。
個人である社長は、債務を免除するだけなので、何の税金もかからず、しかも、相続税の節税にもなるので、一石二鳥です。
また、会社が社長からお金を借りていないにも関わらず、赤字の場合もあります。このままでは、銀行からお金を借りることも難しく、債務超過に陥る可能性もあります。
そこで、社長が自分の不動産などを会社に贈与することで、債務超過を解消することがあるのですが、この場合、どのような税金がかかるのでしょうか?
不動産を時価の2分の1未満で、会社に売却した場合には、みなし譲渡と呼ばれて、時価で売却したとみなされます。
贈与した場合でも、2分の1未満で会社に売却したことと同じです。
その場合、会社は、時価で不動産を贈与されたものとして、受贈益という利益が計上されます。ただ、それと通算できる赤字があれば、法人税はかかりません。
そもそも、社長が自分で、財産を決めることができるので、赤字の範囲内で、贈与すればよいのです。
問題は、社長個人の税金です。
不動産を時価で売却したものとして、売却益が発生し、それに所得税がかかってしまいます。
これを回避するために、不動産の時価の2分の1以上の価格で売却してください。
会社には、時価との差額である受贈益が計上されますが、個人には、何の課税もされないことになります。
赤字の同族会社を助けるために私財を投げ打っているのに、所得税を支払うことは、余計な支出です。
② 会社が個人に資産を贈与する
社長が、会社からお金を借りて、私用で使っているケースもよく見ます。
会社が急に儲かりだしても、社長の給料は変動させることができません。
法人税法では、1年間の役員報酬は、毎年、株主総会で決定されたら、それを12ヶ月で割り、毎月、同じ金額を支払わないと、差額が役員賞与と認定されてしまい、経費として認められないのです。
そのため、会社から給料をもらうのではなく、借りてしまうのです。
翌年から社長の給料を増やして、返済すればよいのですが、所得税が上がるので、返済せずに、雪ダルマ式に積みあがり、1億円も社長に貸しているという会社もあります。
特に、会社が社長にお金を貸し付けると、利息を取らなくてはいけません。
もちろん、社長は利息も支払わないため、それが貸付の元本に組み込まれていき、1億円となってしまうのです。
この貸付金を会社が債務免除してしまうと、役員賞与とみなされて、貸倒損失は会社の経費ならないばかりか、社長は贈与税ではなく、多額の所得税がかかってしまいます。
所得税は最高で50%です。
1億円もの役員賞与が発生すれば、それに近い税率になるでしょう。
社長は1円ももらえない(すでに使っているので)のに、5000万円近い所得税を支払うことになるのです。
これを回避するためには、社長に引退してもらうしかありません。
社長に退職金を支払えば、それで、貸付金を返済してもらえます。
退職金であれば、会社の経費にもなり、社長の所得税も最小限ですみ、多大な貸付金に相当するお金を支払うこともできるでしょう。
では、貸しているのが、会社の役員でも、社員でもない、親族の場合には、どうなるのでしょうか?
会社が債務免除すると、寄付金となり、その親族は一時所得となります。
会社の寄付金は、下記の計算式により、経費と認められる金額が決まります。
① 期末資本金等の額×当期の月数/12×2.5/1,000
② (別表4仮計の金額+支出寄附金)×2.5/100
①+②×1/2
個人の一時所得は、下記の計算式を使って、他の所得と合算されて、所得税が課税されます。2分の1になるので、最高税率でも25%程度ですが、それでも、1円ももらわずに、所得税だけかかってしまうのです。
(債務免除してもらった金額 - 50万円)× 1/2
やはり、会社にとっても、親族にとっても、無駄な税金が発生します。
これを回避するためには、その親戚が会社に社員として働き、その給料から返済してもらうしかありません。
個人が会社に贈与する場合、会社が個人に贈与する場合、贈与税は発生しませんが、他の税金が発生するので注意が必要です。

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