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2015.07.10

20年前に贈与した財産も、遺産分割の対象になります

突然、昨日のニュースで、自民党の税制改正の調査会で、

「遺言書を書いたら、基礎控除額を増やす」

「これを、遺言控除と呼び、数百万円として、平成29年度の実施を目指す」

という案が、検討されることになりました。

現在の相続税の基礎控除額は、

「3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」

となります。

例えば、妻と子供2人で、相続人が3人いると、4800万円までが、基礎控除額として計算されます。

そこに、例えば、遺言控除が300万円プラスされると、5100万円が基礎控除となります。

相続税の税率は、10%から、55%までありますが、もし、30%程度の税率の人なら、この遺言控除で、

300万円 × 30% = 90万円

の相続税が減税されることになります。

ところで、なぜ、この「遺言控除」という減税の制度を、政府は、導入しようとしているのでしょうか?

理由は、

「相続でモメる人が多い → 不動産の空き家が増えている」

ということのようです。

つまり、父親が亡くなったあと、遺言書がなく、相続人間で、遺産分割協議書を作成しようとしたが、争ってしまい、協議が整わない家庭が多いということです。

すると、不動産の名義が変更できないため、父親の自宅を、誰が所有し、住むかが決まらず、アパートなども、修繕費を誰が、どこから出すかが決まらず、ボロボロになり、借家人が見つからず、空き家になっていきます。

当然、その不動産を売却することもできないことになり、放っておかれることは、周りの住民にも迷惑がかかるという訳です。

しかも、家庭裁判所で争うと、財産を分けるまでに、数年がかりです。

この間に使われる、裁判所の運営費用も、バカになりません。

そこで、「遺言控除」という制度を作り、減税することで、生前に、遺言書を作成してもらうことを、後押ししたいということです。

遺言書があれば、絶対に争わない訳ではありません。

というのも、相続人には遺留分という権利があるからです。

遺留分とは、例えば、父親が、「すべての財産を、長男に渡す」という遺言書を残していた場合、妻の生活費がなくなってしまいます。

そこで、法定相続分の2分の1、ここでは4分の1になりますが、それは最低限の取り分として、認められているのです。

それでも、遺言書があれば、他の相続人の遺留分を侵害していたとしても、不動産の名義は変えることができてしまいますし、売却も自由です。

別に、不動産の持分に対して、それを主張する権利がある訳ではないのです。

あくまで、相続財産の価値に対して、遺留分を主張する権利があるだけです。

ここで、遺産分割協議書の話に戻りますが、なぜ、それほどまでに、家族でもめてしまうのでしょうか?

まず1つ目として、遺産分割協議書は、相続人全員の同意が必要で、署名と実印での押印がなければ、成立しないからです。

例えば、妻と子供2人がいて、相続人が3人だとします。

そのうち、妻と子供1人が、財産の分け方に同意していたとしても、残りの子供1人が反対すると、遺産分割協議書が完成しないのです。

多数決ではなく、全員の同意が必要という部分が、もめる原因です。

次に、2つ目として、過去の贈与が関係するということです。

実際に、遺産分割協議が成立せず、家庭裁判所で裁判をして、財産の分け方を争っている、家族は、大勢います。

でも、裁判では、いろいろな主張があったとしても、基本的には、民法の法定相続分が目安になりまです。

例えば、法定相続分とは、妻と子供2人であれば、妻は、2分の1、子供は、それぞれ4分の1をもらえるという権利です。

裁判所として、特定の相続人の肩を持つ訳にはいかず、公平に分配することが、大前提だからです。

ではなぜ、それほどまでに、裁判は年数がかかるのでしょうか?

それは、「特別受益」という制度があるからです。

これは、生前に父親が、特定の子供に贈与したお金やアパートがあると、それも相続財産に合算して、遺産分割をすることになるからです。

税法には、相続が発生した日から、遡って、3年以内に行われた贈与は、なかったものとみなし、相続税がかかるという制度があります。

これとは違い、「特別受益」とは、過去3年に縛られず、過去にいつまでも遡って、合算するという制度なのです。

つまり、相続税がかからない贈与であったとしても、相続財産に合算されて、遺産分割しなければいけないのです。

だから、裁判になると、例えば、

20年前に贈与されたお金があるはず、

10年前に贈与されたアパートを、相続が発生した時で評価しろ、

お前だけ、海外の学校に留学させてもらっていたじゃないか、

などと、お互いに言い争い、財産の範囲が決まらないのです。

だから、数年という、長期間になってしまうのです。

なお、遺言書で財産をあげる場合でも、遺産分割協議書で財産を分ける場合でも、民法の法定相続分を、まったく無視して構いません。

最後に、父親への貢献度が遺産分割の対象になることも、原因です。

父親と同居して、面倒を看ていた、介護をしていたというのは、「寄与分」と呼ばれる権利となります。

「特別受益」が、父親から、相続人がしてもらったことならば、「寄与分」とは、父親に、相続人がやってあげたこと、という定義になります。

この寄与分は、かなり分かりにくい制度です。

普通に、食事を作ってあげたりしても、寄与分とは認められませんし、相続人以外、例えば、長男の妻が面倒をみた行為は、関係ありません。

そのため、長男が、ほとんど無給で父の事業を手伝ってきた、

次男が、父親の店舗兼自宅の増改築に資金を提供した、

長女が、会社をわざわざ辞めて、入院中の付き添いをしていた、

などの場合だけ、寄与分が認められます。

ただそれでも、寄与分がいくらなのか、という金額の算定で、争いの種になります。

具体的には、父親の財産が5000万円で、相続人が長男と長女だとします。

長女が入院に付き添い、寄与分として1000万円を主張すると、残りの4000万円を2分の1ずつ(法定相続分)で割って、2000万円ずつとなり、長女はそれに1000万円を足して、3000万円を相続することになります。

これに対して、長男が、「1000万円は、寄与分として高すぎる」という反論をしてくれば、そのまま、争いが続くことになってしまいます。

実際に、過去の裁判の判決を見ると、寄与分として認められている金額としては、100万円だったり、300万円だったりなど、それほど高くありません。

そのため、寄与分を主張する側も、すぐに和解する気持ちにはならないのです。

このように、遺産分割協議を行い、財産をスムーズに分けるためには、かなり、相続人同士で意思疎通があり、譲り合う気持ち、相手の貢献度を認めるなど、仲が良いことが、大前提です。

父親が生きているうちは、仲が良くても、亡くなったあと、状況が変わることもあります。

生前に、かなり多くの財産を贈与した父親も、相続税がすでにかからないぐらい、財産を圧縮した父親も、私としては、遺言書を書くことが、絶対に必要だと思います。

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