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2015.10.13

高層タワーマンションを買う相続税の節税対策は、本当に、有効なのか?

朝日新聞が、大々的に、節税のニュースを取り上げていました。

タイトルは、

「その6億円、税金ゼロで息子さんに...」 節税ブーム

というものです。

タイトルからは、

「6億円の財産を、子供に無税で贈与できる」

と読み取れます。

ウソ・・・ではありません。

新聞には紙面の関係もあり、説明を飛ばしているため、結論だけが載っていて、理解しずらくなっています。
そこで、段階的に、説明していきたいと思います。

まず、父親が、10億円の現預金を持っていると書かれています。

新聞の記事にしては、相当なお金持ちという設定です。

父親は、40歳の息子に6億円を相続させたいと書かれています。

ただ、このままでは、息子が支払う相続税が3億円にもなり、悩んでいると書かれています。

それでも、6億円は現預金なので、3億円を支払うことは、可能です。

その議論は、ここではしませんが、新聞には、父親が、6億円で高層タワーマンションの数戸を買うだけで、大きく節税できると、書かれているのです。

相続税を計算するときも、贈与税を計算するときも、

「不動産は、土地は路線価、建物は固定資産税評価額で、評価する」

と決まっています。

路線価は、土地が実際に取引される金額(時価)の80%となります。

「実際に取引される金額」とは、国土交通省が毎年発表している、「公示価格」と考えてもらってよいです。
建物の固定資産税評価額は、実際に新築で買った金額の約30%から50%になります。

ここでは、平均を取って、40%と仮定しましょう。

さらに、この不動産を人に貸すと、

土地は、「路線価×80%」、

建物は、「固定資産税の評価額×70%」

の評価に下がります。

理由は、いろいろありますが、相続した人が、自分で使えない(使い勝手が悪い)ので、評価が下がると覚えてください。

そこで、父親が銀行から4億円を借りて、10億円で、高層タワーマンションを買って、人に貸すことにします。
ここでは、話を簡単にするために、新築で1戸を買ったと仮定しましょう。

高層タワーマンションは、土地の持分は小さく、建物の価格が高くなるため、10億円のうち、40%が土地の価格、60%が建物の価格とします。

土地: 10億円×40%×80%×80=2億5600万円
建物: 10億円×60%×40%×70%=1億6800万円

合計金額 4億2400万円

時価10億円の高層タワーマンションが、贈与税を計算するときの評価額としては、4億2400万円に、下がりました。

ポイントは、例えば、40階建ての高層タワーマンションであれば、その1階の部屋と、40階の部屋は、市場での時価はまったく違うはずです。

ところが、相続税や、贈与税を計算するときの評価額は、高層タワーマンションの部屋の面積だけで評価額が決まるため、1階と40階の部屋の面積が同じならば、評価額も同じになるのです。

40階の1戸のマンションの時価が10億円で、1階の1戸のマンションの時価が8億円ぐらいだったとしても、税金を計算するときの評価額は、どちらも4億2400万円になります。

だから朝日新聞にも、父親が高層タワーマンションの最上階の部屋を買えば、財産の価値を減らさずに、効率的に節税ができると書かれています。

あなたは、ここまでの解説を聞いて、

「高層タワーマンションを贈与しても、2億円の贈与税がかかるのでは?」

と、ちょっと疑問に思うかもしれません。

相続税も、贈与税も、最高税率は同じなので、4億2400万円もの財産を、息子に相続させれば、2億円の相続税がかかり、生前に、父親が贈与すれば、同じように2億円の贈与税がかかります。

このとき、思い出して欲しいのが、銀行からの4億円の借金です。

あなたが、

「この借金と一緒に子供に贈与すれば、差額は2400万円になるのでは?」

と考えたならば、スルドイですが、実は、これはNGなのです。

実は、財産を借金と一緒に贈与するときには、財産は、時価で評価するとされているのです。

高層タワーマンションの時価は、10億円、銀行からの借金は、4億円、差し引き、6億円で、贈与税は3億円となり、まったく節税できていません。

ということで、高層タワーマンションを贈与するならば、借金を付けずに、不動産だけを贈与して、贈与税を2億円にしなければ、節税対策として、成功したと言えないのです。

このとき、あなたは、

「10億円の高層タワーマンションには、銀行からお金を借りているので、抵当権がついているのでは?」

と疑問も持つかもしれません。

売買であっても、贈与であっても、買う人、もらう人が同意すれば、抵当権がついたままで、不動産の所有権を移転することができます。

だから、問題ないんですが・・・・
3億円の贈与税(または相続税)が、2億円に下がっただけ。

1億円も節税できただけでも、すごいと思うのですが、朝日新聞の無税で贈与したカラクリを知りたい人もいるでしょう。

実は、朝日新聞の記事では、高層タワーマンションを買うときに、ちょっとだけ、工夫しているのです。

それは、父親が、株式会社を6億円で設立して、そこが、4億円を借りるという方法なのです。

株式会社は、株主1人、取締役1人で、設立できます。
父親が子供に贈与するのは、不動産ではなく、この株式会社の株式にするのです。

では、この株式はどのように評価されるのでしょうか?

個人の場合と同じで、会社も、

「株式会社の財産-株式会社の借金=株式の評価額」

で計算します。

株式会社の借金は、銀行からの4億円です。
このとき、株式会社の財産は、不動産ですが、父親が個人で所有している場合と、まったく同じ評価方法となり、評価は下がるのです。

ポイントが、2つあります。

1つ目は、今回、父親が贈与するのは、不動産ではなく、株式であり、借金が付いていません。

そのため、会社の不動産は時価で評価することにはなりません。

安くなった不動産の評価から、4億円の借金を引くことができるのです。

2つ目は、会社の場合には、このようにメリットがあるため、不動産を買ってから3年以内は、時価で評価するとなっています。

つまり、父親が株式会社を設立して、不動産を買ってから、4年目以降に、株式を子供に贈与しなければ、節税効果がないのです。

もちろん、4年後の土地の路線価がどうなるかは、分かりませんが、建物の固定資産税評価額は、勝実に、下がります。

一方、銀行の借金は、元利均等返済であれば、最初のうちは、元本は減らず、金利ばかりを払います。

ということで、4年後には、会社の財産は4億円を下回り、銀行の借金は、ほぼ4億円のままで、差し引くと、会社の株式の評価額は、ゼロとなるのです。

この段階で、父親が子供に株式を贈与すれば、贈与税はゼロ円で、子供が株主に変わります。
そのあと、株主になった子供が、不動産を10億円で売却して、銀行に4億円の借金を返済すると、会社に6億円の現金が残ります。

これで、父親が持っていた6億円の現金を、贈与税がゼロ円で、子供に贈与できました。

朝日新聞は、ここまで、詳細には解説していませんでしたが、前提と、プロセス、そして結論は、まったく同じです。
ただ、朝日新聞を読んだ人が、このカラクリを1面の記事だけで、すべて見抜けたかは、疑問ですが。

現実に、この方法で財産を贈与している人たちが、たくさんいます。

では、この方法を使えば、誰も相続税で苦しむ人はいないはず?と疑問に思うかもしれません。

朝日新聞には紙面の関係上、まったく記載がありませんでしたが、注意しておくことも、当然、あります。
いや、それがあるから、この方法を躊躇してしまう人や、この方法では贈与しないと決めている人たちもいるのです。

高層タワーマンションの時価

この節税対策は、会社が高層タワーマンションを10億円で売却して、銀行の借金を返済して、6億円の現金に戻して、完了です。
ところが、4年後に売却したときに、高層タワーマンションの時価が、かなり下がっていると、この節税対策は失敗することもあります。

例えば、高層タワーマンションの時価が6億円に下がると、4億円の借金を返済しても、2億円しか残りません。
そもそも、6億円を相続すると、3億円の相続税なので、差し引き、3億円の財産が残ったので、それよりも減っています。

東京オリンピックのせいで、不動産の時価が上がっています。

実際に買ってから、4年後に株式を贈与して、そのあと売却するまでに、本当に時価が下がらないという保証はなく、リスクがあります。

それでも、高層タワーマンションを慎重に選べば、4年で、30%も時価が暴落することはないのかもしれません。

税務署の対応

朝日新聞の記事には、高層タワーマンションの節税には、何の問題もないという感じで書かれています。

過去に、相続が発生する直前に、高層タワーマンションを買い、そのあと、相続税の申告で、不動産の評価を下げて、それが終わったあと、すぐに売却した人たちがいました。
そのあと、税務調査が入ったのですが、相続税対策のためだけに買った高層タワーマンションは、評価が下がらず、時価で評価しなければいけないとされて、追加で多額の相続税がかかった事例も、いくつもあります。

国税不服審判所で負けた納税者は、法律に書かれている方法で評価したことは悪くないと考え、裁判所でも争いました。

結果は、地方裁判所、高等裁判所で納税者は負けて、最後は、最高裁判所にまで持ち込みましたが、納税者が負けて、不動産は時価で評価させられています。

ということで、贈与するために、高層タワーマンションを購入し、評価が下がったときに贈与して、そのあとすぐに売却すれば、否認されるリスクがあるのです。

あなたは、

「ここまで、説明してきて、どういうことだ!」

と言うかもしれません。

やはり、すぐに売却していることで、あくまで、贈与税や相続税の節税のためだけ、という理由に捉えられがちです。
どんなことでも、やり過ぎには注意が必要です。

そこで、高層タワーマンションをすぐに売却せずに、ずっと所有して、賃貸事業を行っているのであれば、否認されるリスクは、ほぼゼロになると考えます。

とすれば、相続税の節税対策のために、今から会社を設立して、4年後に株式を贈与したあと、不動産を売却すると説明しましたが、否認されないためには、高層マンションを売却するのは、もっと、かなり先にしなければいけないのです。

でも、高層タワーマンションを所有し続けていると、時価が下がるというリスクは、高くなります。

結局、節税というメリットと、この時価が下がるリスクを比べて、実行するかどうか、決断することになるのでしょう。

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